妊娠初期の出血

妊娠初期は、受精卵が着床し胎盤が形成される大切な時期です。体の様々な変化によって出血をする場合もあり、心配になる方も多いでしょう。
妊娠初期の出血にはしばらく様子を見ても問題ない場合と、すぐに病院へ受診した方が良い場合とがあります。出血を経験した際に適切に対処できるように、様々なケースを確認しておきましょう。

様子を見て良い出血

着床時出血

受精卵が着床し、受精卵から伸びた絨毛が子宮内膜に定着する際に子宮内膜の血管を傷つけてしまうときに起こります。生理の始まり時期のような少量の血が、1日~4日程度つづくケースが多いです。

子宮(頚)頸部や(膣)腟部からの出血

妊娠すると子宮の血液量が増えるため、充血したような状態になります。そのため、少しの刺激で子宮(頚)頸部や(膣)腟から出血しやすくなります。腹痛などもなく少量で1回のみの出血であれば、様子を見て構いません。

こんな出血は注意が必要

「切迫流産」という流産へ進行する可能性がある出血には、少量の出血が断続的にみられるという特徴があります。大量出血や腹部の痛みなどが伴うと流産のリスクが高まります。ただし、妊娠の15%が流産となり、流産の原因は胎児因子のことが大半を占めると言われています。
また子宮内膜以外で受精卵が着床する「異所性妊娠」や、胎盤を形成する絨毛組織に異常が起きる「胞状奇胎」の際にも出血がおきることがあります。

妊娠初期の出血でチェックするポイント

出血が起きて医師に相談・受診する際には、出血の状態を正しく伝えることが大切です。出血の経過や量などを確認し、メモなどに残しておくと受診の際に伝えやすくなります。
主に、下記の状態をご自身でチェックしておくことをおすすめします。

✔ 出血の色(赤色、茶色、褐色など)
✔ 出血の量(ティッシュに付く程度、ナプキンが一杯になる程度など)
✔ 血液の状態(ドロドロ、サラサラ、血の塊があるなど)
✔ 出血した日時と継続期間
✔ 出血以外の身体の変化(発熱、腹痛、下痢、めまいなど)

妊娠中の出血には自己判断は禁物

妊娠中に出血が起こった際には、決して自己判断で対処してはいけません。少量の出血などがあった場合でも、まずはかかりつけ医に連絡して相談をするようにしましょう。
特に鮮血が出ている場合や出血量が多い場合、腹痛やお腹のはりが伴う場合などは、医療機関に指示をあおいでください。